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なぜ、多額の財産がなくても 相続税対策をするべきなのか?
2026/06/09
相続税対策は富裕層だけのもの?早めに考えておきたい理由
「相続税対策」と聞くと、資産家や富裕層だけが考えるものだと思っていないでしょうか。
確かに、相続税はすべての家庭に必ずかかる税金ではありません。
しかし、次のような財産がある場合は注意が必要です。
- 自宅の土地・建物
- 賃貸アパートや貸家
- 空き家
- 空き地
- 駐車場
- 田畑
- 預貯金
- 株式や投資信託
- 生命保険金
- 事業用不動産
「うちは現金がそれほど多くないから大丈夫」と思っていても、不動産を含めて計算すると、相続税の基礎控除を超えるケースがあります。
特に、実家や土地を所有している家庭では、相続税だけでなく、遺産分割や納税資金の問題も起こりやすくなります。
相続税対策とは、単に税金を安くすることだけではありません。
家族が困らないように、
- 財産を把握する
- 誰が何を相続するか考える
- 納税資金を準備する
- 不動産を売るのか、残すのか、活用するのか決める
- 二次相続まで見据える
- 相続人同士のトラブルを防ぐ
ための準備でもあります。
今回は、相続税対策がなぜ富裕層だけの問題ではないのか、どのような点に注意すべきかをわかりやすく解説します。
相続税とは
相続税とは、亡くなった人の財産を相続や遺贈によって受け取った人にかかる税金です。
相続税の対象になる財産には、主に次のようなものがあります。
- 現金
- 預貯金
- 土地
- 建物
- 有価証券
- 投資信託
- 貴金属
- 自動車
- 貸付金
- 生命保険金の一部
- 死亡退職金の一部
一方で、借入金や未払金、葬式費用などは、一定の範囲で財産から差し引くことができます。
相続税は、遺産総額が一定額を超えた場合に課税されます。
その判断で重要になるのが、相続税の基礎控除 です。
相続税の基礎控除とは
相続税には、遺産総額から差し引くことができる基礎控除があります。
基礎控除の計算式は次のとおりです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
国税庁も、正味の遺産額が基礎控除額を超えない場合には相続税はかからないと説明しています。
たとえば、法定相続人の人数ごとの基礎控除額は以下のようになります。
- 法定相続人1人:3,600万円
- 法定相続人2人:4,200万円
- 法定相続人3人:4,800万円
- 法定相続人4人:5,400万円
- 法定相続人5人:6,000万円
この金額だけを見ると、「自分には関係なさそう」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、不動産を所有している場合は別です。
預貯金は少なくても、自宅の土地や建物、親から引き継いだ土地、空き家、貸家などを含めると、基礎控除を超える可能性があります。
多額の現金がなくても相続税対策が必要な理由
相続税対策が富裕層だけのものではない理由は、大きく3つあります。
1. 不動産の評価額で基礎控除を超えることがある
相続財産は、預貯金だけではありません。
特に注意したいのが不動産です。
たとえば、彦根市内に自宅や土地を所有している場合、
- 土地
- 建物
- 駐車場
- 空き家
- 賃貸物件
- 事業用地
- 農地
などが相続財産に含まれます。
不動産は現金のように残高が一目でわかるものではないため、相続が起きてから評価額を確認し、思ったより財産額が大きかったと気づくケースがあります。
また、不動産は簡単に分けられません。
相続人が複数いる場合、
- 長男が実家を相続する
- 次男は預貯金を相続する
- 長女には代償金を支払う
- 空き家を売却して現金で分ける
など、具体的な分け方を考える必要があります。
事前に何も決めていないと、相続人同士の話し合いが長引くことがあります。
2. 二次相続で税負担が重くなることがある
相続税対策では、最初の相続だけでなく、二次相続 まで考えることが重要です。
二次相続とは、夫婦のうち一方が亡くなった後、残された配偶者も亡くなったときに発生する相続のことです。
たとえば、父・母・子ども2人の家庭で、父が亡くなった場合を考えてみます。
父の相続を一次相続といいます。
このとき、母には配偶者の税額軽減があります。
配偶者が取得した正味の遺産額が、1億6,000万円まで、または配偶者の法定相続分相当額までであれば、配偶者には相続税がかからない制度です。
そのため、一次相続では「とりあえず母に多く相続させれば税金が少なくなる」と考えることがあります。
しかし、その後に母が亡くなる二次相続では、配偶者の税額軽減は使えません。
さらに、一次相続では父の相続人が母と子ども2人の合計3人だったとしても、二次相続では母の相続人は子ども2人だけになります。
つまり、法定相続人の数が減るため、基礎控除額も下がります。
例として見ると、
- 一次相続:法定相続人3人
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円 - 二次相続:法定相続人2人
3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
このように、二次相続では基礎控除が600万円少なくなります。
一次相続で配偶者に財産を寄せすぎると、二次相続で子どもたちの税負担が大きくなる可能性があります。
3. 相続税は10か月以内に現金で納める必要がある
相続税の申告と納税には期限があります。
国税庁によると、相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
さらに、相続税は原則として金銭で納付します。
つまり、相続財産の多くが不動産で、手元に現金が少ない場合でも、納税資金を用意しなければなりません。
たとえば、次のようなケースでは注意が必要です。
- 相続財産の大半が実家の土地建物
- 空き家や農地はあるが預貯金が少ない
- 賃貸物件はあるが修繕費がかかっている
- 相続人の一人が不動産を取得するが、他の相続人に払う現金がない
- 納税資金を作るために急いで不動産を売る必要がある
不動産は、売ろうと思ってすぐに現金化できるとは限りません。
買い手探し、価格交渉、測量、境界確認、残置物処分、解体、契約、引渡しなどに時間がかかることがあります。
納税期限が迫ってから売却を始めると、希望価格より安く売らざるを得ない可能性もあります。
不動産が多い家庭で起こりやすい相続トラブル
相続税対策を考えるうえでは、税金だけでなく、遺産分割の問題も重要です。
特に不動産が多い家庭では、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 実家を誰が相続するか決まらない
- 売却するか残すかで意見が分かれる
- 住んでいる相続人と住んでいない相続人で考え方が違う
- 土地の評価額をめぐって不満が出る
- 共有名義にした結果、将来売却しにくくなる
- 空き家の管理を誰がするか決まらない
- 固定資産税の負担で揉める
- 納税資金が足りず、急いで売却することになる
不動産は「分けにくい財産」です。
現金であれば法定相続分に応じて分けやすいですが、土地や建物は簡単には分けられません。
そのため、相続が起きる前から、
- 売却する
- 誰か一人が取得する
- 代償金を支払う
- 賃貸に出す
- 解体して土地として活用する
- 共有を避ける
といった方向性を考えておくことが大切です。
彦根市で不動産を相続する場合の注意点
彦根市で土地や建物を相続する場合、相続税だけでなく、固定資産税の手続きにも注意が必要です。
彦根市では、亡くなった方が固定資産を所有していた場合、相続人を代表して通知書等を受領し、納付する方を届け出る必要があります。
つまり、相続登記が終わっていない場合でも、固定資産税の納付や通知を受ける代表者を決める必要があります。
彦根市内で相続した不動産を放置すると、次のような負担が続く可能性があります。
- 固定資産税の納付
- 空き家の管理
- 草木の伐採
- 雨漏りや老朽化への対応
- 近隣からの苦情対応
- 解体費用の発生
- 売却価格の低下
- 相続人が増えることによる権利関係の複雑化
相続した不動産が彦根市外に住む相続人にとって管理しにくい場所にある場合、早めに売却や活用を検討することも重要です。
相続税対策として最初にやるべきこと
相続税対策は、難しい節税策から始める必要はありません。
まずは、家族の財産状況を把握することから始めましょう。
1. 財産目録を作る
最初に行うべきことは、財産の一覧を作ることです。
財産目録には、次のようなものを書き出します。
- 預貯金
- 土地
- 建物
- 株式
- 投資信託
- 生命保険
- 車
- 貴金属
- 貸付金
- 借入金
- 住宅ローン
- 未払金
- 保証債務
- 葬儀費用の見込み
不動産については、
- 所在地
- 地番
- 家屋番号
- 面積
- 固定資産税評価額
- 利用状況
- 名義人
- 共有者の有無
- 境界確認の有無
- 賃貸中か空き家か
まで整理しておくと、相続時の判断がしやすくなります。
2. 不動産の評価額を確認する
相続税を考える場合、不動産の評価額を把握することが重要です。
土地は路線価方式または倍率方式で評価し、建物は固定資産税評価額によって評価します。
ただし、相続税評価額と実際に売れる価格は同じではありません。
相続税の計算では一定のルールに基づいて評価しますが、不動産売却では市場価格、立地、需要、建物状態、接道、境界、周辺環境などが影響します。
そのため、相続税対策では、
- 税務上の評価額
- 実際の売却見込み額
- 固定資産税評価額
- 管理コスト
- 解体費用
- 修繕費用
を分けて確認することが大切です。
3. 納税資金を準備する
相続税がかかる可能性がある場合は、納税資金の確保も重要です。
納税資金を準備する方法には、次のようなものがあります。
- 預貯金を残しておく
- 生命保険を活用する
- 売却予定の不動産を決めておく
- 収益不動産の収支を改善する
- 不要な不動産を生前に整理する
- 相続人ごとの取得財産と納税額を試算する
特に、不動産が財産の大半を占める場合は、現金不足になりやすいため注意が必要です。
「土地はあるが現金がない」という状態では、相続税の納付や代償金の支払いに困る可能性があります。
4. 一次相続と二次相続をセットで考える
相続税対策では、一次相続だけを見て判断しないことが大切です。
一次相続で配偶者に多く財産を渡すと、目先の相続税は抑えられる場合があります。
しかし、その後の二次相続で、
- 配偶者控除が使えない
- 法定相続人が減る
- 基礎控除が減る
- 子どもたちの税負担が増える
- 不動産の分け方で揉める
という問題が起こることがあります。
そのため、一次相続では、
- 配偶者の生活資金
- 子どもへの分け方
- 不動産の名義
- 将来の売却可能性
- 二次相続時の税額
- 納税資金
を総合的に考える必要があります。
5. 不動産を「残す・売る・活用する」に分ける
相続前の段階で、不動産ごとに方針を決めておくと、相続後の混乱を減らせます。
たとえば、次のように整理します。
残す不動産
- 家族が住み続ける自宅
- 収益性のある賃貸物件
- 将来利用予定のある土地
- 事業に必要な不動産
売却を検討する不動産
- 管理できない空き家
- 遠方にある土地
- 利用予定のない空き地
- 老朽化が進んだ建物
- 収益性の低い賃貸物件
活用を検討する不動産
- 駐車場にできる土地
- 賃貸需要が見込める建物
- 事業用地として需要がある土地
- 解体後に売却しやすい土地
- 隣地所有者への売却が考えられる土地
彦根市内でも、駅周辺、幹線道路沿い、住宅地、農地に近い地域、事業用需要がある地域などで、不動産の活用方法は異なります。
地域の相場や需要を踏まえて判断することが大切です。
相続税対策は「節税」よりも「家族が困らない準備」
相続税対策というと、どうしても節税のイメージが先行します。
しかし、本当に大切なのは、家族が相続後に困らない状態を作ることです。
具体的には、次のような準備が相続対策になります。
- 財産の場所と金額を家族が把握している
- 不動産の名義が整理されている
- 相続人が誰か確認できている
- 遺言書の必要性を検討している
- 納税資金の見込みがある
- 不動産を売る場合の相談先が決まっている
- 空き家を放置しない方針がある
- 二次相続まで考えている
これらを早めに整理しておくだけでも、相続後の負担は大きく変わります。
まとめ:相続税対策はできるところから始めることが大切
相続税対策は、富裕層だけのものではありません。
預貯金が多くなくても、自宅や土地、空き家、賃貸物件などの不動産を持っている場合、相続税や遺産分割の問題が起こる可能性があります。
特に注意すべきポイントは、次の3つです。
- 相続税の基礎控除を超えるかどうか
- 一次相続だけでなく二次相続で税負担が増えないか
- 相続税を10か月以内に現金で納められるか
相続税対策を始める第一歩は、特別な節税策ではありません。
まずは、
- 財産目録を作る
- 不動産の評価額を確認する
- 相続人を確認する
- 納税資金を考える
- 不動産を残すか売るか検討する
- 家族で情報を共有する
ことから始めましょう。
事前の整理が、将来の家族の負担を大きく減らします。
彦根市で相続不動産、空き家、土地、賃貸物件、事業用不動産の相続にお悩みの方は、地域事情に詳しい専門家へ早めに相談することが大切です。
トラストエージェントでは、滋賀県彦根市を中心に、相続不動産や不動産売却のご相談を受け付けています。
- 相続した不動産の管理・活用方法がわからない
- 相続税がかかるか不安
- 相続人同士で意見がまとまらない
- 空き家や土地を放置している
- 不動産の売却と相続手続きを同時に進めたい
- 二次相続まで見据えて不動産を整理したい
このようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
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