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法定相続人って誰のこと?相続税が 重くなる場合も
2026/06/02
法定相続人とは?相続税を考える前に知っておきたい基本
相続税や遺産分割を考えるとき、まず理解しておきたい言葉の一つが 「法定相続人」 です。
「配偶者や子ども、孫のことだろう」と何となくイメージしている方は多いかもしれません。
しかし実際には、
- 配偶者は必ず法定相続人になるのか
- 子どもが亡くなっている場合、孫は相続人になるのか
- 親や兄弟姉妹はどの順番で相続人になるのか
- 養子は法定相続人に含まれるのか
- 相続税の計算では何人まで数えられるのか
- 孫が相続すると相続税が高くなることがあるのか
など、正しく理解しておかないと、相続税や遺産分割で思わぬトラブルにつながることがあります。
今回は、法定相続人とは何か、相続順位、法定相続分、養子がいる場合の注意点、相続税の2割加算まで、わかりやすく解説します。
法定相続人とは
法定相続人とは、民法で定められた相続人 のことです。
人が亡くなると、その人が持っていた財産は相続の対象になります。
相続財産には、たとえば以下のようなものがあります。
- 預貯金
- 土地
- 建物
- 株式
- 投資信託
- 自動車
- 家財
- 貸付金
- 借入金
- 未払金
- 住宅ローンなどの負債
しかし、相続が発生したときに「誰が財産を引き継ぐのか」が明確でなければ、相続人同士でトラブルになりやすくなります。
そこで民法では、亡くなった人との関係に応じて、相続人になれる人とその順位を定めています。
この民法上、相続人になる権利を持つ人が 法定相続人 です。
相続税の計算でも、法定相続人の数は非常に重要です。
なぜなら、相続税の基礎控除額は次の計算式で決まるからです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、法定相続人が3人の場合は、
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
となります。
つまり、相続財産の課税価格が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。
このように、法定相続人の人数は、誰が財産を引き継ぐかだけでなく、相続税がかかるかどうかにも大きく関係します。
法定相続人の順位
法定相続人になるのは、亡くなった人、つまり被相続人の一定範囲の親族です。
相続人には順位があり、先順位の人がいる場合、後順位の人は法定相続人になりません。
基本的な順位は次のとおりです。
第1順位:子ども
第1順位は、被相続人の子どもです。
子どもには、実子だけでなく養子も含まれます。
子どもがすでに亡くなっている場合、その子ども、つまり被相続人から見た孫が代わりに相続人になります。
さらに孫も亡くなっている場合は、曾孫が相続人になることがあります。
このように、本来相続人になるはずだった人が先に亡くなっている場合に、その下の世代が代わりに相続することを 代襲相続 といいます。
たとえば、被相続人に子どもが2人いて、そのうち1人がすでに亡くなっており、その亡くなった子に子どもがいる場合、その孫が法定相続人になります。
第2順位:父母・祖父母などの直系尊属
第1順位である子どもや孫などがいない場合、第2順位として、被相続人の父母が法定相続人になります。
父母がすでに亡くなっている場合は、祖父母が法定相続人になることがあります。
父母や祖父母など、被相続人より上の世代の親族を 直系尊属 といいます。
注意したいのは、子どもがいない場合に初めて父母が相続人になるという点です。
子どもや孫がいる場合、父母は法定相続人にはなりません。
第3順位:兄弟姉妹
第1順位の子ども・孫などもおらず、第2順位の父母・祖父母などもいない場合、第3順位として兄弟姉妹が法定相続人になります。
兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子ども、つまり被相続人から見た甥や姪が代襲相続人になることがあります。
ただし、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪までです。
子どもの代襲相続のように、甥や姪のさらに子どもへと続くわけではありません。
配偶者は常に法定相続人になる
被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に法定相続人になります。
配偶者には、子ども・父母・兄弟姉妹のような順位はありません。
つまり、配偶者は以下のどのケースでも相続人になります。
- 配偶者と子どもがいる場合
- 配偶者と父母がいる場合
- 配偶者と兄弟姉妹がいる場合
- 配偶者だけがいる場合
ただし、ここでいう配偶者とは、法律上の婚姻関係にある夫または妻をいいます。
内縁の夫や妻は、原則として法定相続人にはなりません。
また、配偶者がすでに亡くなっている場合でも、親族の相続順位が変わるわけではありません。
たとえば、被相続人の配偶者が先に亡くなっていて、子どもと父母がいる場合、法定相続人になるのは子どもです。
父母は、子どもがいる限り法定相続人にはなりません。
法定相続分とは
法定相続人がわかったら、次に確認したいのが 法定相続分 です。
法定相続分とは、民法で定められた相続割合の目安です。
ただし、必ず法定相続分どおりに分けなければならないわけではありません。
遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容が優先されます。
遺言書がない場合でも、相続人全員で話し合い、全員が合意すれば、法定相続分とは異なる割合で分けることもできます。
ただし、遺産分割協議の出発点として、法定相続分は非常に重要です。
配偶者と子どもが相続人の場合
配偶者と子どもが法定相続人になる場合、法定相続分は次のとおりです。
- 配偶者:2分の1
- 子ども:2分の1
子どもが複数いる場合は、子どもの取り分である2分の1を人数で分けます。
たとえば、配偶者と子ども3人が法定相続人の場合は、
- 配偶者:2分の1
- 子ども1人目:6分の1
- 子ども2人目:6分の1
- 子ども3人目:6分の1
となります。
子ども全体で2分の1、その2分の1を3人で分けるため、子ども1人あたりは6分の1です。
配偶者と父母が相続人の場合
被相続人に子どもや孫がいない場合、配偶者と父母が法定相続人になることがあります。
この場合の法定相続分は次のとおりです。
- 配偶者:3分の2
- 父母などの直系尊属:3分の1
父母が2人とも存命の場合は、直系尊属の取り分である3分の1を2人で分けます。
つまり、
- 配偶者:3分の2
- 父:6分の1
- 母:6分の1
となります。
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
被相続人に子どもや孫がおらず、父母や祖父母もいない場合、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になることがあります。
この場合の法定相続分は次のとおりです。
- 配偶者:4分の3
- 兄弟姉妹:4分の1
兄弟姉妹が複数いる場合は、兄弟姉妹全体の取り分である4分の1を人数で分けます。
たとえば、配偶者と兄弟2人が法定相続人の場合は、
- 配偶者:4分の3
- 兄:8分の1
- 弟:8分の1
となります。
兄弟姉妹が相続人になるケースでは、配偶者と義理の兄弟姉妹との間で遺産分割協議が必要になることがあります。
不動産が相続財産に含まれている場合、現金のように簡単に分けられないため、話し合いが長引くことも少なくありません。
配偶者がいない場合の法定相続分
配偶者がすでに亡くなっている場合や、そもそも配偶者がいない場合は、同じ順位の法定相続人で財産を分けます。
たとえば、子ども3人が法定相続人の場合は、
- 子ども1人目:3分の1
- 子ども2人目:3分の1
- 子ども3人目:3分の1
となります。
父母2人が法定相続人の場合は、
- 父:2分の1
- 母:2分の1
兄弟姉妹4人が法定相続人の場合は、
- 兄弟姉妹それぞれ:4分の1
となります。
同順位の相続人が複数いる場合は、原則として均等に分けると考えるとわかりやすいでしょう。
養子がいる場合の注意点
養子がいる場合、民法上は、養子も実子と同じく法定相続人になります。
つまり、被相続人に実子と養子がいる場合、どちらも子どもとして扱われます。
たとえば、配偶者、実子1人、養子1人がいる場合、法定相続分は次のようになります。
- 配偶者:2分の1
- 実子:4分の1
- 養子:4分の1
民法上は、養子も実子と同じ立場です。
ただし、相続税の計算では注意が必要です。
相続税では、法定相続人の数によって基礎控除額や生命保険金の非課税限度額などが変わります。
そのため、養子を何人でも法定相続人として数えられると、相続税の負担を不当に減らすことができてしまいます。
そこで、相続税の計算上、法定相続人の数に含める養子の人数には制限があります。
国税庁では、相続税の計算において法定相続人の数に含める養子の数について、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと説明しています。
つまり、相続税の計算上は次のように考えます。
- 被相続人に実子がいる場合:養子は1人までカウント
- 被相続人に実子がいない場合:養子は2人までカウント
ただし、特別養子縁組など一定の場合には、実子として扱われるケースもあります。
養子がいる相続では、民法上の相続人としての扱いと、相続税計算上の扱いを分けて考える必要があります。
法定相続人と相続税の基礎控除
法定相続人を正しく把握することが大切な理由の一つは、相続税の基礎控除額に関係するからです。
相続税の基礎控除額は、以下の式で計算します。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、相続人の人数ごとの基礎控除額は次のとおりです。
- 法定相続人1人:3,600万円
- 法定相続人2人:4,200万円
- 法定相続人3人:4,800万円
- 法定相続人4人:5,400万円
- 法定相続人5人:6,000万円
相続財産が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
しかし、不動産を所有している場合は注意が必要です。
特に彦根市内で、
- 自宅
- 賃貸アパート
- 貸家
- 月極駐車場
- 田畑
- 空き家
- 空き地
- 事業用地
などを所有している場合、預貯金だけでは相続税がかからないと思っていても、不動産評価を含めると基礎控除額を超える可能性があります。
相続税がかかるかどうかを判断するには、預貯金だけでなく、不動産の評価額や生命保険金、株式、負債なども含めて確認することが大切です。
一親等の親族でなければ相続税が2割加算されることがある
相続税を考えるうえで、もう一つ注意したいのが 相続税の2割加算 です。
相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の配偶者や一親等の血族ではない場合、その人の相続税額に20%相当額が加算されることがあります。
簡単にいうと、一定の人は相続税が1.2倍になるということです。
2割加算の対象になりやすい人には、たとえば以下のような人がいます。
- 兄弟姉妹
- 甥や姪
- 孫
- 内縁の配偶者
- 友人・知人
- 遺言で財産を受け取る第三者
ここで特に注意したいのが孫です。
孫は血縁関係としては近い存在ですが、原則として一親等の血族ではありません。
そのため、孫が遺言などで財産を取得する場合、相続税の2割加算の対象になることがあります。
孫が相続するときの2割加算の考え方
孫が財産を取得する場合、2割加算の対象になるかどうかは状況によって異なります。
主な考え方は次のとおりです。
孫の立場のまま相続・遺贈を受ける場合
孫が、被相続人の孫という立場のまま財産を取得する場合は、原則として2割加算の対象になります。
たとえば、祖父が遺言で孫に財産を渡す場合などです。
この場合、孫は一親等の血族ではないため、相続税額に20%が加算される可能性があります。
孫を養子にしている場合
被相続人が孫を養子にしている場合も注意が必要です。
法律上は養子になることで子どもとして扱われますが、相続税の2割加算では、孫養子が2割加算の対象になることがあります。
つまり、相続税対策として孫を養子にした場合でも、必ずしも相続税が有利になるとは限りません。
代襲相続の場合
一方で、代襲相続によって孫が相続人になる場合は、2割加算の対象外になることがあります。
たとえば、被相続人の子どもがすでに亡くなっており、その子どもである孫が代わりに相続するケースです。
この場合、孫は本来相続人になるはずだった子どもの立場を引き継ぐため、通常の孫相続とは扱いが異なります。
孫が相続する場合は、「遺言による取得なのか」「養子なのか」「代襲相続なのか」によって税務上の扱いが変わるため、慎重な確認が必要です。
遺言書がある場合とない場合の違い
法定相続人や法定相続分は、遺言書がない場合の基本的な考え方になります。
遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って財産を分けます。
ただし、遺言書があっても、すべて自由に分けられるわけではありません。
配偶者や子ども、父母など一定の相続人には、最低限の取り分である 遺留分 が認められています。
たとえば、
- 長男にすべての財産を相続させる
- 特定の子どもだけに不動産を相続させる
- 孫や第三者に大部分の財産を遺贈する
といった遺言がある場合、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
特に不動産が財産の大半を占める相続では、現金で調整しにくいため、トラブルになりやすい傾向があります。
不動産がある相続では、法定相続人の確認が特に重要
相続財産に不動産が含まれる場合、法定相続人の確認は特に重要です。
なぜなら、不動産の名義変更や売却には、相続人全員の関与が必要になることが多いからです。
たとえば、彦根市内に実家や土地があり、相続人が複数いる場合、次のような問題が起こることがあります。
- 誰が実家を相続するのか決まらない
- 空き家を売却したいが相続人の一人が反対している
- 相続人の中に遠方在住者がいて話し合いが進まない
- 兄弟姉妹の間で不動産の評価額に意見の違いがある
- 共有名義にした結果、将来売却しにくくなった
- 相続登記を放置して次の相続が発生した
不動産は、預貯金のように簡単に人数で割ることができません。
そのため、法定相続人を正確に確認し、早めに話し合いを始めることが大切です。
また、2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする必要があります。正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
彦根市で不動産を相続した場合の注意点
彦根市で土地や建物を相続した場合、相続登記だけでなく、固定資産税の手続きにも注意が必要です。
彦根市では、固定資産を相続した場合、所有者が亡くなってから相続登記が完了するまでの間、法定相続人が連帯して固定資産税を納付することになり、その手続きとして「相続人代表者指定届出書兼固定資産現所有者申告書」の提出が必要とされています。
つまり、相続登記をしていないからといって、固定資産税の負担がなくなるわけではありません。
彦根市内で相続した不動産を放置すると、
- 固定資産税の負担が続く
- 建物の老朽化が進む
- 草木の繁茂で近隣トラブルになる
- 空き家の管理費用がかかる
- 売却価格が下がる
- 相続人が増えて話し合いが難しくなる
といった問題が起こることがあります。
特に、実家が空き家になっている場合や、相続人が彦根市外・滋賀県外に住んでいる場合は、管理が後回しになりやすいため注意が必要です。
法定相続人を確認するときに必要な書類
法定相続人を確認するには、戸籍をたどる必要があります。
一般的には、次のような書類を集めます。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の除籍謄本
- 被相続人の改製原戸籍
- 相続人全員の現在戸籍
- 被相続人の住民票除票
- 相続人の住民票
- 遺言書がある場合は遺言書
- 不動産がある場合は登記事項証明書
- 固定資産税評価証明書
戸籍を確認すると、家族が知らなかった相続人が判明することもあります。
たとえば、
- 前婚の子ども
- 認知した子ども
- 養子
- 代襲相続人
- 兄弟姉妹や甥・姪
などです。
相続人を一人でも漏らして遺産分割協議を行うと、その協議は無効になる可能性があります。
そのため、法定相続人の確認は自己判断で済ませず、必要に応じて司法書士や弁護士などの専門家に相談することが大切です。
法定相続人を間違えると起こりやすいトラブル
法定相続人を正しく把握していないと、次のようなトラブルにつながります。
- 遺産分割協議をやり直すことになる
- 不動産の売却が進まない
- 相続登記ができない
- 相続税申告の内容が誤る
- 基礎控除額を間違える
- 相続税の2割加算を見落とす
- 養子の人数制限を誤って計算する
- 兄弟姉妹や甥姪との話し合いが長引く
- 空き家や土地を放置してしまう
特に不動産が絡む相続では、手続きの遅れがそのまま費用負担や売却機会の損失につながります。
相続が発生したら、まずは法定相続人を確定し、そのうえで財産内容を整理することが重要です。
まとめ:法定相続人の確認は相続税と不動産相続の第一歩
法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。
相続人の順位は、次のように決まっています。
- 第1順位:子ども、孫など
- 第2順位:父母、祖父母など
- 第3順位:兄弟姉妹、甥・姪
- 配偶者:常に法定相続人
法定相続人の数は、相続税の基礎控除額にも影響します。
また、養子がいる場合や孫が相続する場合は、相続税の計算で注意が必要です。
特に不動産を相続する場合は、
- 誰が法定相続人なのか
- 法定相続分はどうなるのか
- 遺言書はあるのか
- 相続税がかかる可能性はあるのか
- 相続登記をいつまでに行う必要があるのか
- 固定資産税の手続きはどうするのか
- 売却するのか、活用するのか、保有するのか
を早めに整理することが大切です。
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- 相続人同士で意見がまとまらない
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監修者情報
- 商号
- 株式会社 トラストエージェント
- 代表
- 代表取締役 臼井 大典📞0749-26-2103
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