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遺贈による寄付とは何か?
2026/11/03

「自分の財産を、地域の医療や子どもたちの未来に役立てたい」
「家族に財産を残しながら、遺産の一部を寄付したい」
こうした思いを、遺言書を通じて実現する方法が「遺贈寄付」です。
遺贈寄付とは、遺言によって、亡くなった後に自分の財産を個人や団体へ無償で譲り渡す仕組みを利用した寄付のことです。現金・預貯金だけでなく、不動産や株式なども対象になり得ますが、寄付先の受け入れ条件や税金には注意が必要です。[1]
特に、彦根市で自宅や土地を所有している方は、「不動産をそのまま寄付するのか」「売却して現金を寄付するのか」によって、必要な手続きや費用が変わります。
この記事では、遺贈寄付の仕組み、遺言書の準備、相続税・譲渡所得税の注意点、彦根市で検討できる地域貢献の方法について解説します。
■ 遺贈寄付とは?終活で財産の使い道を決めておく方法
【遺贈は、相続人以外にも財産を渡せる仕組み】
遺贈とは、遺言書によって、自分の財産の全部または一部を無償で譲り渡すことです。遺言者が亡くなったときに効力が生じます。
財産を渡す相手は、家族などの相続人に限られません。お世話になった人や、活動を応援したい団体などを指定することもできます。
相続人に対して遺贈することも可能ですが、実務では、相続人に財産を引き継がせる場合に「相続させる」と記載し、それ以外の相手に渡す場合に「遺贈する」と記載することが一般的です。[1]
遺贈寄付は、相続人がいない方だけの選択肢ではありません。家族がいる方でも、生活への影響や遺留分に配慮しながら、財産の一部を寄付することを検討できます。
【全財産を寄付する必要はありません】
「遺贈寄付は、多額の財産を持つ人が全財産を寄付するもの」と考える必要はありません。
例えば、特定の預貯金の一部を寄付の対象にするなど、家族に残す財産と寄付する財産を分けて考えることができます。
大切なのは、ご自身の生活費・医療費・介護費や、ご家族の将来の暮らしを踏まえ、無理のない範囲で財産の使い道を決めることです。
日本承継寄付協会が2025年11月に全国の20~70代の男女1,000人を対象に実施したWeb調査では、遺贈寄付の認知度は63.8%でした。一方、具体的な内容の理解は7.4%にとどまっています。[2]
言葉を知っていても、遺言書や税金の仕組みまで理解しているとは限らないからこそ、寄付を決める前の情報整理が重要になります。
【「遺言による寄付」と「相続した後の寄付」は区別しましょう】
本人が生前に遺言書を作り、死後に財産を寄付する方法と、相続人がいったん取得した相続財産を寄付する方法では、手続きや税金の扱いが異なります。
例えば、亡くなった方が遺言で直接団体に財産を渡す場合と、子どもが相続した財産を自分の判断で団体に寄付する場合は、同じものとして扱うことはできません。
「誰から誰へ、どの財産を渡すのか」を整理しておくことが、遺贈寄付の準備の出発点です。[1][9]
■ 遺贈寄付の進め方|寄付先・遺言書・遺言執行者を準備する
【まずは財産と寄付先の受け入れ条件を確認】
遺贈寄付を考えたら、預貯金、不動産、株式などの財産と、借入金などの債務を整理しましょう。そのうえで、どの財産を、どのような目的で寄付したいかを検討します。
寄付先を選ぶ際は、活動内容への共感だけでなく、遺贈を受け入れているか、希望する財産を受け取れるかも確認することが重要です。
特に、不動産や株式は、管理や売却の負担が生じるため、受け入れを断られる場合があります。遺言書に団体名を書けば、必ず寄付が実現するわけではありません。[1]
生前に寄付先へ意向を伝え、財産の内容や寄付の目的を共有しておくことで、死後の行き違いを減らすことにつながります。
【特定遺贈と包括遺贈の違いを理解する】
遺贈には、主に「特定遺贈」と「包括遺贈」の2つがあります。
特定遺贈は、「A銀行の預金を遺贈する」など、対象となる財産を指定する方法です。
包括遺贈は、「財産の2分の1を遺贈する」など、財産全体に対する割合を指定する方法です。
包括遺贈では、受け取る側が債務も引き継ぐことになるため、寄付先が受け入れをためらうことがあります。寄付を目的とする場合は、特定遺贈を検討し、寄付先の方針に合った内容にすることが大切です。[1]
どちらの方法が適しているかは、財産の種類や家族構成、寄付先の受け入れ条件によって異なります。
【公正証書遺言を検討し、内容を明確にする】
遺言書には、自筆証書遺言や公正証書遺言などがあります。遺贈寄付のために必ず公正証書遺言を作成しなければならないわけではありませんが、原資料でも公正証書による作成が勧められています。[1]
公正証書遺言は、公証人が本人の意思を確認して作成する遺言書です。通常の作成手続きでは、証人2名が立ち会い、遺言の内容を確認します。[3]
寄付先や財産の指定が曖昧なままだと、死後に解釈をめぐる問題が生じる可能性があります。団体の正式名称や対象財産を確認し、専門家と相談しながら内容を明確にしましょう。
【遺言執行者を指定しておく】
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための手続きを担う人です。
遺贈寄付では、亡くなった後に誰が寄付先と連絡を取り、財産を引き渡す手続きを進めるのかを決めておくことが重要になります。
遺言書を作成する際には、遺言執行者の指定とともに、依頼する業務の内容や費用についても確認しておきましょう。[1]
おひとりさまの終活や、遠方にしか親族がいない方の相続対策でも、「遺言を残すこと」と「実行する人を決めること」を一緒に考えることが大切です。
■ 遺贈寄付に税金はかかる?相続税・法人税・譲渡所得税を整理
遺贈寄付では、「寄付だから税金はかからない」と一律に考えることはできません。
寄付先が個人か法人か、現金か不動産か、本人から直接遺贈するのか相続人が取得後に寄付するのかによって、確認すべき税金が変わります。[1]
【法人に遺贈する場合は、法人の種類によって扱いが異なる】
法人が遺贈を受ける場合、原則として相続税は課されません。ただし、法令上、例外的な課税が行われる場合があります。[1]
また、株式会社などの普通法人では、無償で財産を受け取った利益である「受贈益」が、原則として法人税の課税対象になります。
一方、法人税法上の公益法人等は、原則として収益事業から生じた所得に対して法人税が課される仕組みです。国税庁は、公益法人等の寄付金収入について、金銭以外の財産を受け取った場合も含め、原則として課税対象とならないと説明しています。[4]
そのため、「法人への寄付には必ず法人税がかかる」「非営利の団体なら必ず非課税」といった判断は避け、寄付先の法的な区分を確認しましょう。
【不動産や株式には「みなし譲渡所得課税」の問題がある】
値上がり益のある不動産や株式を法人に遺贈すると、実際には売却していなくても、時価で譲渡したものとみなされ、亡くなった方に譲渡所得に対する所得税が生じることがあります。[1][5]
これが「みなし譲渡所得課税」です。
例えば、購入したときより価値が上がっている土地を法人へ遺贈する場合、売買代金を受け取らなくても課税が問題になることがあります。
寄付する側に売却代金が入らないため、残された相続人等が納税資金をどう用意するかまで検討する必要があります。
【準確定申告の期限は原則4か月以内】
亡くなった方について所得税の申告が必要な場合、相続人等が行うのが「準確定申告」です。
申告と納税の期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。[6]
不動産を受け取らない相続人にも税負担が生じる可能性があるため、寄付の意向だけでなく、想定される税金や費用も家族に説明しておくことが大切です。[1]
【公益法人等への寄付には、譲渡所得の非課税制度がある】
国や地方公共団体に財産を寄付する場合や、一定の公益法人等への寄付で国税庁長官の承認を受けた場合には、譲渡所得が課税されない制度があります。[5]
公益法人等への寄付について承認を受けるには、寄付財産が原則として2年以内に公益目的事業に直接使われることなど、一定の要件を満たす必要があります。
申請書の提出期限は、原則として寄付があった日から4か月以内、または寄付した年分の確定申告期限のいずれか早い日です。[5]
「公益法人への寄付だから自動的に非課税になる」とは限りません。準確定申告とは別に、承認申請の要否と期限を確認しましょう。
【個人が受け取る場合は、相続税や2割加算を確認】
個人が遺贈で財産を受け取る場合、その財産は原則として相続税の課税対象です。
友人、内縁のパートナー、兄弟姉妹などが受け取る場合には、原則として相続税額の2割加算の対象になります。[7]
例えば、二割加算の計算対象となる相続税額が100万円であれば、加算額は20万円です。これは「受け取った財産の20%を納税する」という意味ではありません。
なお、相続税そのものが発生しなければ、2割加算だけが別に課税されるわけではありません。
また、宗教・慈善・学術などの公益を目的とする事業を行う一定の個人等が取得し、その事業に使われることが確実な財産には、相続税がかからない取り扱いがあります。[8]
【相続した財産を寄付する場合にも、相続税の特例がある】
相続人等が取得した相続財産を、相続税の申告期限までに国、地方公共団体、特定の公益法人、認定NPO法人などへ寄付し、一定の要件を満たす場合、その寄付財産について相続税がかからない特例があります。[9]
ただし、寄付先ならどの団体でもよいわけではありません。対象となる団体、寄付の期限、申告書への記載や必要書類などを確認する必要があります。
また、相続税の非課税特例と、先ほど説明した譲渡所得の非課税制度は別の制度です。一方の要件を満たせば、もう一方も自動的に適用されるわけではありません。
■ 不動産の遺贈寄付で注意したい、現金化と家族への配慮
【土地や家をそのまま寄付できるとは限らない】
不動産を寄付する場合、寄付先には、その後の管理や売却などの負担が生じます。
寄付先が不動産を活動に利用できる場合もありますが、現金を必要としている団体では、換金までに時間がかかる財産を受け取りにくいことがあります。
原資料でも、不動産や株式などの現物より、現金・預貯金のほうが寄付先に受け入れてもらいやすいと説明されています。[1]
彦根市の自宅や土地を遺贈寄付に活用する場合も、現物の受け入れが可能か、現金での寄付を求められるかを、遺言書の作成前に確認しましょう。
【「売却して寄付すれば税金の問題はなくなる」わけではない】
不動産を現金化する場合にも、売却に伴う税金や費用を確認する必要があります。
寄付に充てられる金額を考えるときは、売却価格だけでなく、税金、仲介手数料、登記などの費用を差し引いた金額を見込むことが大切です。
さらに、相続人が相続した不動産を通常の売買で売却し、その売却代金を寄付する場合には注意が必要です。
相続財産の寄付に関する相続税の非課税特例は、原則として「相続や遺贈で取得した財産そのもの」が対象です。国税庁の通達では、相続財産を売却して取得した代金は、原則としてこの対象に含まれません。[10]
つまり、寄付先にとって現金が受け取りやすいことと、相続税の特例を利用できることは別の問題です。
不動産を誰が、いつ売却するかを決める前に、寄付先・税理士・不動産会社で手続きの順序を確認しましょう。
【遺留分を侵害すると、寄付先に金銭負担が生じることも】
遺贈寄付を検討する際は、家族の相続する権利にも配慮する必要があります。
配偶者や子など、一定の相続人には「遺留分」という法律上保障された利益があります。これを侵害する内容の遺贈を行うと、相続人から遺留分侵害額請求を受け、寄付先が金銭の支払いを求められる可能性があります。[1]
その結果、寄付先の活動に役立てるつもりだった財産の一部が、請求への対応に使われることも考えられます。
財産を社会のために役立てたいという思いを実現するには、ご家族への説明、生活への配慮、遺留分の確認を一緒に進めることが重要です。
■ 彦根市で遺贈寄付を考える方へ|地域貢献と不動産相続を一緒に検討
【彦根市立病院では、遺贈寄附に関する相談を案内】
彦根市で地域への貢献を考える場合、医療を支える寄付も選択肢の一つです。
彦根市立病院は、公式サイトで「寄附金・遺贈寄附」の受け入れについて案内しています。寄付金の使い道として、先進的な医療機器の導入、院内環境の充実、人材育成が挙げられています。[11]
また、READYFOR株式会社と連携し、遺贈による寄付や相続財産の寄付に関する相談窓口も案内しています。
ただし、同病院では原則として寄付金での寄付をお願いしています。不動産をそのまま寄付できると考えず、希望する寄付の内容と受け入れ条件を事前に確認してください。
彦根市立病院「ご寄附(寄附金・遺贈寄附)のお願い」
https://www.municipal-hp.hikone.shiga.jp/0000001093.html
問い合わせ先:彦根市立病院 事務局 企画経理課
電話:0749-22-6050
【「地元への恩返し」を形にするという考え方】
日本承継寄付協会の公開事例でも、お世話になった地域への恩返しを理由に、遺贈寄付を検討・選択した方が紹介されています。これは同協会が公表する事例であり、当社の相談事例ではありません。[13]
また、同協会の2025年調査では、遺贈寄付を検討している方の50.3%が、現在住んでいる地域や、生まれ育った地域の団体への支援を希望していました。[2]
寄付先を選ぶ際は、有名な団体かどうかだけでなく、「どの地域の、どのような活動を支えたいか」を考えてみることも大切です。
【彦根市の不動産を寄付に活用したい場合は、売却・活用の見通しから】
不動産を遺贈寄付に活用するには、法律や税金に加えて、不動産そのものの状態を把握する必要があります。
売却できる見込みや価格、現金化までの進め方がわからないままでは、寄付する金額や方法も決めにくくなります。
彦根市のトラストエージェントは、
「複雑な相続も、不動産の売却も。信頼できる専門家が一貫してサポートします。」
という方針のもと、弁護士・司法書士・税理士などの専門家と連携し、不動産相続や売却の相談に対応しています。[12]
遺言書や遺留分などの法律上の判断、税金の試算・申告はそれぞれの専門家に確認しながら、当社では不動産の売却や活用についてご相談いただけます。
不動産売却の相談メニュー
https://www.souzoku-trustagent2015.com/menu/
遺贈寄付は、「寄付すること」だけで完結するものではありません。ご本人の希望、ご家族の暮らし、寄付先の受け入れ条件、税金や費用まで整理しておくことで、思いを実現しやすくなります。
彦根市で自宅や土地の将来の使い道に迷っている方は、相続対策と不動産の売却・活用を一緒に考えるところから始めてみませんか。
トラストエージェント
所在地:滋賀県彦根市栄町二丁目6番65号
電話:0749-26-2103
受付時間:9:00~18:00
定休日:日曜日(年末年始・GW・お盆の休業あり)
公式サイト・無料相談
https://www.souzoku-trustagent2015.com/
【原資料・確認資料】
本記事は、以下の原資料をもとに、制度の詳しい取り扱い、調査結果、彦根市の地域情報を公表資料で補足しています。
[1] 原資料
不動産相続の相談窓口コラム VOL.74
「遺贈による寄付とは何か?概要を解説」
©2026 Kufu Sumai Consulting Inc.
[2] 日本承継寄付協会
「2025年度『遺贈寄付』に関する実態調査を発表」
https://www.izo.or.jp/news/press/research_20260126.html
[3] 日本公証人連合会
「公正証書遺言は、どのような手順で作成するのですか?」
https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow02/2-q10
[4] 国税庁
「公益法人等が収益事業に使用している土地の寄附を受けた場合の課税関係」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/21/19.htm
[5] 国税庁
「No.3108 国や地方公共団体又は公益を目的とする事業を行う法人等に財産を寄附したとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3108.htm
[6] 国税庁
「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
[7] 国税庁
「No.4157 相続税額の2割加算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm
[8] 国税庁
「No.4108 相続税がかからない財産」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm
[9] 国税庁
「No.4141 相続財産を公益法人などに寄附したとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4141.htm
[10] 国税庁
租税特別措置法第70条関係通達「70-1-6」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sozoku/sochiho/080708/70_1/01.htm
[11] 彦根市立病院
「ご寄附(寄附金・遺贈寄附)のお願い」
https://www.municipal-hp.hikone.shiga.jp/0000001093.html
[12] トラストエージェント
公式サイト・不動産売却相談メニュー
https://www.souzoku-trustagent2015.com/
https://www.souzoku-trustagent2015.com/menu/
[13] 日本承継寄付協会
「遺贈寄付を決めた方の声」
https://www.izo.or.jp/will/case.html
※本記事は、2026年10月16日時点で確認した公表資料に基づく一般的な解説です。実際の手続きや課税関係は、財産の種類、寄付先の法的な区分、遺言の内容、家族構成などによって異なります。法律上の判断は弁護士・司法書士等に、個別の税務判断は税理士または税務署にご確認ください。
監修者情報
- 商号
- 株式会社 トラストエージェント
- 代表
- 代表取締役 臼井 大典📞0749-26-2103
トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

