お知らせ/ブログ
贈与税の「肩代わり」は逆効果?
2026/03/04

親が税金を払うと、さらに贈与税がかかる理由を解説
「子どものために生前贈与をしたけれど、
贈与税まで負担させるのは気が引ける」
そう考える親御さんは少なくありません。
現役世代は、仕事・家事・育児・住宅ローンなどで家計に余裕がないことも多く、
親として支えてあげたいという気持ちは自然なものです。
しかし実は、
贈与税を親が肩代わりすると、かえって子どもの税負担が増える
ケースがあることをご存じでしょうか。
本記事では、
-
贈与税の基本ルール
-
贈与税の肩代わりが「なぜ課税されるのか」
-
正しい対処方法と注意点
をわかりやすく解説します。
1.贈与税の納税義務者は「受贈者」
まず押さえておきたい大原則があります。
👉 贈与税を申告・納付する義務があるのは、財産をもらった人(受贈者)
親がどれだけ「自分のお金をあげた」という感覚でも、
税法上の納税義務者はあくまで受け取った側です。
2.生前贈与には2つの課税制度がある
① 暦年課税制度
-
毎年 110万円まで非課税
-
110万円を超えた部分に贈与税がかかる
-
複数人から贈与を受けても
👉 合計額で110万円を判定
② 相続時精算課税制度
-
毎年110万円の基礎控除
-
それを超えても 累計2,500万円まで贈与税は非課税
-
将来の相続時に相続財産へ加算
-
一度選択すると暦年課税に戻れない
3.贈与税の申告・納付期限
贈与税は、次の期間に申告・納税します。
-
申告期間:贈与を受けた年の翌年
-
2月1日 ~ 3月15日
-
原則:現金一括納付
👉 高額な資産(不動産・美術品など)をもらった場合、
現金がないと納税が大きな負担になります。
4.親が贈与税を肩代わりするとどうなる?
■ よくあるケース
-
美術品や不動産を贈与
-
子どもに現金がなく贈与税が払えない
-
親が「代わりに払ってあげる」
一見、優しさあふれる行為ですが、
税法上は別の扱いになります。
5.贈与税の肩代わりは「みなし贈与」
■ 税法の考え方
相続税法では、次のように定められています。
民法上の贈与でなくても、
経済的利益を受けた場合は「贈与があった」とみなす
これを 「みなし贈与」 といいます。
■ なぜ課税されるのか?
贈与税の支払い義務は、受贈者の「債務」です。
親がその税金を支払う
↓
子どもの債務が消える
↓
債務免除益(経済的利益)を得た
↓
👉 贈与とみなされ、再び贈与税の対象
結果として、
贈与 → 贈与税発生 → 肩代わり → さらに贈与税
という悪循環が起きます。
6.みなし贈与に該当する主な例
-
他人が保険料を払った生命保険の満期金
-
個人年金の受取(保険料負担者が別)
-
相場より著しく安い価格での不動産譲渡
-
借金の帳消し
-
税金・借金の肩代わり
-
無償での名義変更
👉 「実際に現金を渡していなくても」課税されるのがポイントです。
7.納税資金も一緒に贈与するという方法
では、どうすればいいのでしょうか。
■ 一つの解決策
👉 贈与税の納税資金も含めて贈与する
例:美術品を贈与するケース
-
美術品:1,500万円
-
納税資金(現金):1,000万円
-
合計贈与額:2,500万円
贈与税(一般贈与財産・一般税率)の計算例:
(2,500万円 − 110万円)× 50% − 250万円 = 945万円
👉 贈与額は増えますが、
「肩代わりによる二重課税」は避けられます。
8.それでも注意すべきポイント
■ 贈与税の税率は2種類ある
-
一般税率
-
特例税率
-
18歳以上
-
直系尊属(父母・祖父母)からの贈与
-
👉 税率が低く設定されている
-
■ 相続時精算課税制度の注意点
-
一度選ぶと暦年課税に戻れない
-
将来の相続税とセットで考える必要あり
👉 安易な選択は危険です。
9.まとめ|「善意」が裏目に出ないために
-
贈与税の納税義務者は受贈者
-
贈与税の肩代わりは「みなし贈与」
-
結果として 贈与税がさらに増える可能性
-
納税資金を含めて贈与する方法もある
-
制度選択は将来の相続まで見据える必要あり
生前贈与は「やり方次第」で大きく結果が変わります。
よかれと思ってした行動が、
かえって子どもの負担にならないよう、
事前に専門家へ相談することをおすすめします。
監修者情報
- 商号
- 株式会社 トラストエージェント
- 代表
- 代表取締役 臼井 大典📞0749-26-2103
トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

