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広い土地の相続税を抑える方法

2026/02/11

「地積規模の大きな宅地」とは?広大地評価との違いをわかりやすく解説

相続財産の中でも土地の評価額は相続税に大きく影響します。
特に面積の広い土地を相続した場合、

  • 「相続税が高くなりそうで不安」

  • 「以前は“広大地”で評価が下がったと聞いたが、今も使えるの?」

といったご相談を多くいただきます。

実は、2018年1月1日以降、土地評価の考え方は大きく変わっています。
本記事では、

  • 改正前の「広大地評価」

  • 改正後の「地積規模の大きな宅地」

  • 何がどう変わり、相続税にどう影響するのか

を、専門知識がない方にもわかるように解説します。


1.2018年の税制改正で何が変わったのか?

2017年9月、国税庁は
**「財産評価基本通達の一部改正」**を公表しました。

これにより、

  • 従来の 「広大地評価」 は廃止

  • 新たに 「地積規模の大きな宅地」 という評価方法が導入

され、
2018年1月1日以降に相続・贈与で取得した土地から新制度が適用されています。


2.改正前|「広大地評価」とは?

■ 広大地の概要

従来の広大地とは、次のような土地を指していました。

  • 市街化区域内の宅地

  • 戸建住宅用地として利用される土地

  • 面積要件

    • 三大都市圏:500㎡以上

    • 三大都市圏以外:1,000㎡以上

  • マンション用地・大規模工場用地は原則除外

■ 広大地評価の計算方法

路線価地域では、以下の算式が使われていました。


 

広大地の価額 = 路線価 × 広大地補正率 × 地積

広大地補正率は、


 

0.6 − 0.05 ×(地積 ÷ 1,000㎡)

で計算され、
最大で 路線価の35%評価(=65%減額) まで下げることが可能でした。

■ 問題点

  • 「戸建向きか?マンション向きか?」の判断が曖昧

  • 形状・奥行・接道状況を考慮しない

  • 税務署との見解相違が起きやすい

👉 実態に合わない評価になりやすいという課題がありました。


3.改正後|「地積規模の大きな宅地」とは?

■ 基本的な面積要件

以下の面積以上の宅地が対象です。

  • 三大都市圏:500㎡以上

  • 三大都市圏以外:1,000㎡以上

※ ただし、次の「除外要件」に該当しないことが必要です。


4.適用できない土地(除外要件)

次のいずれかに該当する土地は
「地積規模の大きな宅地」評価を受けられません。

  1. 市街化調整区域内の宅地
    ※ 開発許可により分譲可能な区域は除外

  2. 工業専用地域

  3. 高容積率地域

    • 容積率400%以上

    • 東京都特別区は300%以上

  4. 大規模工場用地

👉 改正後は、
チェック項目が明確になり、判断しやすくなったのが大きな特徴です。


5.改正後の評価方法(最重要ポイント)

■ 新しい評価算式


 

評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 不整形地補正率 等 × 規模格差補正率 × 地積

■ 規模格差補正率とは?

土地の面積規模による不利性を考慮する補正率で、

  • 土地が大きいほど評価は下がる

  • ただし、改正前のような一律大幅減額はない

という仕組みです。


6.図表で見る「規模格差補正率」の考え方

■ 三大都市圏の例

地積 B C
500㎡以上~1,000㎡未満 0.95 25
1,000㎡以上~3,000㎡未満 0.90 75
3,000㎡以上~5,000㎡未満 0.85 225
5,000㎡以上 0.80 475

※ 三大都市圏以外は 1,000㎡以上から適用されます。


7.改正の本質|何が一番変わったのか?

改正前

  • 「広い土地=大幅評価減」

  • 面積重視・画一的

改正後

  • 「広さ+使いにくさ」を評価

  • 形状・奥行・接道条件を反映

👉 実際に分譲・利用しにくい土地ほど評価が下がる
より現実的な評価方法に変わりました。


8.相続税対策への影響

■ 有利になりやすい土地

  • 不整形地

  • 奥行が深い

  • 接道条件が悪い

  • 分割・分譲しにくい土地

■ 不利になりやすい土地

  • 形が整っている

  • 開発・分譲しやすい

  • 利便性が高い立地

👉 「広いだけ」では相続税は下がらない時代になっています。


9.相続で失敗しないための注意点

  • 用途地域・容積率の確認は必須

  • 図面・測量・現地確認で評価額が変わる

  • 税理士任せだけでなく
    不動産実務に強い専門家との連携が重要


まとめ

  • 2018年以降、「広大地評価」は使えない

  • 「地積規模の大きな宅地」は
    実態に即した評価方法

  • 相続税対策は
    土地の形・使い道・将来性まで含めた判断が不可欠

広い土地を相続する可能性がある方は、
相続発生前・発生後を問わず、早めの専門家相談が重要です。

監修者情報

代表取締役
臼井 大典

トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

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