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税務調査でもっともつつかれる 「名義預金」とは何か

2025/10/30

税務調査でもっともつつかれる 「名義預金」とは何か

相続税の税務調査で一番多い申告漏れは「名義預金」|指摘されないためにできる対策とは?

相続税の申告後に不安になる「税務調査」の実態とは?

相続税を申告・納税したあとでも、不安の種となるのが「税務調査」です。
実際、相続税の申告件数のうち、**約17.5%**が税務調査を受けており、5〜6人に1人の割合で税務署のチェックが入っていることになります(出典:国税庁「令和5事務年度における相続税の調査状況」)。

相続税は扱う財産の金額が大きくなりやすく、1件の申告漏れでも高額課税になる可能性が高いため、税務署としても調査対象としやすい税目なのです。


申告漏れで最も多いのは「現金・預貯金」|その正体は「名義預金」

国税庁のデータによると、令和5事務年度における相続税調査では、**84.2%**の割合で何らかの「申告漏れ」が指摘されています。
つまり、税務調査に入られた場合、8割以上が申告内容に誤りを指摘されているということです。

特に多く見られるのが、現金・預貯金に関する申告漏れで、
その額は全体の申告漏れ課税財産2,727億円のうち、**825億円(約30%)**を占めています。

その中でも注目すべきが「名義預金」です。
名義預金は、形式的には他人(多くは子や孫)の名義であるものの、実質的には故人(被相続人)が管理・運用していた預金のことです。


名義預金とは?|よくある「親が子のために積み立てる」ケース

たとえば、親が「子どもの将来のために」と、子ども名義の口座に自分のお金を積み立てるケースがあります。
これは表向きは「子の財産」のように見えますが、実際には子どもがその存在を知らず、通帳や印鑑を親が管理していることがほとんどです。

このようなケースは国税庁に「実質的な所有者は親」と判断され、名義預金=相続財産とみなされます。

✅ よくある誤解:「110万円までなら贈与税がかからないから、問題ない」
実際には、このような積立では贈与契約が成立していないため、贈与とは認められません。


贈与契約がないと「贈与」とは認められない

民法上、贈与は「あげます」「もらいます」の意思表示(合意)があって初めて成立する法律行為です。
贈与契約が成立しているためには、以下のような条件が求められます。

【名義預金とされないためのチェックポイント】

  • ✅ 名義人(子や孫など)に預金の存在を伝えている

  • ✅ 通帳・印鑑を名義人が管理している

  • ✅ 贈与契約書を毎年作成している

  • ✅ 名義人がその資金を自由に使える状態である

これらが整っていない場合、たとえ「子供のために」と善意で積み立てていても、税務署は名義預金=相続財産とみなします。


名義預金と指摘されたらどうなる?|修正申告とペナルティ

名義預金が税務署に指摘された場合、通常は修正申告を求められます。

税務調査後のペナルティ(加算税)の内容

タイミング 過少申告加算税の割合
調査通知後〜更正の予知前 5%(※1)
更正の予知以後 10%(※2)
重加算税(仮装・隠ぺいがある場合) 35%

※1・※2:新たに納付する税額が50万円超の場合、その超過部分には10%または15%が適用

自主的な修正ならペナルティなし(延滞税はあり)

税務署の事前通知のに自ら誤りに気付き、修正申告を行った場合は、加算税は課されません
ただし、納税が遅れた分の「延滞税」は課されます。


相続税の申告で名義預金と疑われないために

「名義預金」として税務署に指摘されないために、事前に以下の対策を取ることが非常に重要です。

▶ 名義預金とされないための実務対応チェックリスト

  • 📌 贈与契約書を毎年作成する

    • 書面で「あげました」「もらいました」の意思表示を残す

  • 📌 通帳・印鑑は名義人が管理する

    • 親が管理していないことが明確に

  • 📌 贈与後は名義人が自由に引き出せる状態にする

    • 管理・支配が親にないことを示す

  • 📌 名義人に預金の存在を伝える

    • 実際に使った履歴があればより安心

これらの対応を取っておくことで、将来の税務調査で不要なトラブルを回避できます。


【まとめ】名義預金対策は早めに!正しい認識と準備が鍵

名義預金は、本人に悪意がなくても**「誤った認識」や「記録の不備」**から申告漏れとされることがあります。
相続税の税務調査では特に注視される項目であり、事前の準備が不可欠です。

  • 相続税の税務調査対象は全体の約17.5%

  • 調査対象者の84.2%が申告漏れを指摘

  • 申告漏れ財産の3割が現金・預貯金(名義預金含む)

「知らなかった」では済まされないのが税務の世界。
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監修者情報

代表取締役
臼井 大典

トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

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