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民法改正で夫婦間の居住用不動産贈与が変わった!~相続トラブルを防ぐ新制度とは~

民法改正で夫婦間の居住用不動産贈与が変わった!~相続トラブルを防ぐ新制度とは~

1. 民法改正の背景とポイント

「配偶者の居住権保護」が目的

2018年7月に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が成立し、1980年以来の大幅な見直しが行われました。その中でも注目されたのが、配偶者の生活の安定を図るための制度改革。
その一つが、夫婦間での居住用不動産贈与に関する見直しです。

滋賀県彦根市のように、高齢化が進み高齢夫婦のみの世帯が年々増加する地域では、この制度改正の影響は非常に大きいものとなっています。


2. 改正前の制度とその問題点

生前贈与しても“相続時に取り消される”リスク

これまでの制度では、以下の条件を満たすと**贈与税の特例(配偶者控除)**を受けられました。

  • 婚姻期間が20年以上

  • 居住用の不動産(または取得資金)を贈与

  • 贈与額2,000万円までは非課税(+基礎控除110万円)

ところが、相続が発生するとこの贈与は**「特別受益」として相続財産に持ち戻される**のが原則。

持ち戻しの影響例(彦根市でのケース)

例えば、彦根市内で時価2,000万円の戸建てを夫から妻に贈与した場合でも、相続発生後は他の相続人との公平性を図るためにこの物件も含めて遺産総額として再計算されることに。

つまり、**「夫が生前に妻の生活を守るつもりで贈与した意図が無効化される」**という課題がありました。


3. 新制度の概要とメリット

「持ち戻し免除の意思」が推定されるように!

2019年からの改正により、以下のように制度が変わりました。

項目 改正前 改正後(2019年以降)
居住用不動産の贈与 特別受益として持ち戻しが原則 持ち戻し免除の意思が推定される
対象 居住用不動産・購入資金 不動産のみ(資金は対象外)
推定の扱い 明示しない限り持ち戻し 意思表示がなくても適用される

この見直しにより、夫が生前に妻へ自宅を贈与した場合でも、その自宅は妻の固有財産とみなされ、遺産に含めなくてよくなりました。

実質的なメリット

  • 妻の生活基盤(住まい)を法的に守れる

  • 遺産分割協議でのトラブルが減る

  • 相続税対策としても有効


4. 注意点と今後の相続対策のポイント

「自宅購入資金」は対象外なので要注意

注意したいのは、今回の改正があくまで不動産そのものの贈与に限られている点です。
自宅購入資金の贈与は従来通り、明確に遺言などで「持ち戻し免除」の意思を残す必要があります。

また、「推定される」とはいえ、他の相続人との間で争いが起こる可能性はゼロではありません。

彦根市周辺の実情を踏まえた対応

彦根市では、以下のような地域的背景があるため、早めの対策が望まれます。

  • 高齢化率:滋賀県内トップクラス(※2024年時点で35%以上)

  • 一戸建て持ち家率が高く、空き家化しやすい傾向

  • 相続をきっかけに売却・活用されるケースが多い

したがって、遺言書の作成専門家による生前贈与の設計をトラストエージェントのような地元に強い不動産会社と一緒に進めるのが安心です。


5. 相続トラブルを避けるためにできること

トラブルの芽を事前に摘む3つの対策

  1. 遺言書を必ず残す(公正証書がベスト)

    • 明文化することで、意思が明確になり争いを防げます。

  2. 相続人と事前に話し合っておく

    • 配偶者への贈与の意図を家族と共有することが重要。

  3. 地域に強い不動産相続専門家に相談

    • 例:彦根市の《トラストエージェント》は、司法書士・税理士と連携したワンストップ対応が可能。

▶【無料相談受付中】
彦根市で不動産相続・贈与に関するご相談は トラストエージェント公式サイト
電話:0749-26-2103(9:00~18:00/日曜定休)


まとめ|生前贈与を活かすには「法改正+事前対策」がカギ

今回の民法改正により、夫婦間の自宅贈与がより安心して行えるようになりました
しかし、それでも「争族(そうぞく)」は完全には避けられません。

  • 配偶者への配慮をしっかり残す

  • 他の相続人とのバランスも考える

  • プロの支援を受けて書類と意図を残す

これらを徹底することで、自分の想い通りに財産を引き継げる安心の相続が実現します。

監修者情報

代表取締役
臼井 大典

トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

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