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相続財産としての評価額を決める際の 土地の「利用区分」とは?
1. 利用区分とは?登記簿の「地目」との違いを正しく理解しよう
土地の相続において、最も重要なのが「利用区分」です。これは、登記簿上の地目とは別の基準で、相続時の実際の利用状況に応じて税務上の評価が決まるためです。
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地目:法務局の登記簿謄本に記載。例:宅地・田・畑・山林など23種類。
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利用区分:相続発生時点の実際の利用形態をもとに、相続税評価の区分を設定。
この「利用区分」は、財産評価基本通達に基づき、自用地・貸宅地・借地権・貸家建付地・私道などに分類されます。地目と異なり、相続税の評価額に直結する点が非常に重要です。
2. 自用地・貸宅地・借地権・貸家建付地・私道、それぞれの評価方法
評価方法は以下のとおりです(財産評価基本通達による):
① 自用地
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該当:本人居住の自宅、営業用地、子どもが無償使用している土地など。
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評価方法:通常の相続税路線価 × 地積
② 貸宅地
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該当:他人が住む建物が建っている借地権付き土地。
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評価式:自用地評価額 ×(1-借地権割合)
③ 借地権
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該当:他人の土地に自宅を建てている場合。
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評価式:自用地評価額 × 借地権割合
④ 貸家建付地
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該当:アパートやマンションなどの賃貸建物が建っている土地。
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評価式:
自用地評価額 ×(1-借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
⑤ 私道
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該当:所有者が特定されている通行専用道路。
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評価式:自用地評価額 × 30%
これらの評価は、登記情報や実際の利用状況、借地契約の内容などを総合的に判断して決定します。
3. 評価額を左右する「借地権割合」と「借家権割合」の実際
土地評価の重要な要素である借地権割合と借家権割合は、国税庁が地域ごとに定めており、彦根市の場合は以下の傾向です(※令和6年分の情報を参考):
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借地権割合(彦根市中心部):60%~70%が一般的
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借家権割合(全国共通):30%
たとえば、彦根市内で自用地評価額が3,000万円の貸家建付地の場合
評価額 = 3,000万円 ×(1-0.7×0.3×1)= 2,370万円
評価が大きく変動するため、正確な数値の把握が相続税額に大きく影響します。
4. 利用区分が混在する土地の評価リスクと注意点
1筆の土地に複数の利用区分が混在している場合、相続評価は非常に複雑になります。たとえば:
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自宅+賃貸アパートが同一地番内にあるケース
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敷地の一部が私道になっているケース
このような場合、筆ごとの地積はあるものの、区分ごとの地積を現地調査で特定する必要があります。
具体的な対応としては:
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現地立ち会いによる区分線の確定
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建築図面や固定資産税台帳による面積把握
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評価明細書第1表の利用区分別記載
地番ごとの分筆や測量が必要なケースもあり、税理士や不動産評価士との連携が不可欠です。
5. 彦根市での土地相続は専門家との連携がカギ
トラストエージェントでは、彦根市を中心に地元の土地事情に精通した相続サポートを行っております。
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✅ 士業(司法書士・税理士・弁護士)と連携したワンストップ対応
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✅ アパートや貸家など複合利用地の評価にも精通
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✅ 空き家管理や名義変更、売却支援も一括サポート
相続評価で失敗しないために、以下のような場合は無料相談をおすすめします。
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複数の利用区分が混在している土地がある
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借地・貸地・賃貸物件が含まれている
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評価額を下げて相続税を抑えたい
まとめ
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土地の相続税評価では、「利用区分」の正確な把握が必須です。
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自用地・貸宅地・借地権・貸家建付地・私道の5区分ごとに評価方法が異なり、金額に大きな差が出ます。
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評価を誤ると税額が過大になる可能性があり、専門家との連携が安心と節税への近道です。
監修者情報
- 代表取締役
- 臼井 大典
トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。