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誰が対象?相続税が割り増しになる 「二割加算」とは
2026/10/20

相続や遺贈で財産を受け取るとき、「いくら受け取るか」だけでなく、「誰が受け取るか」によって相続税の負担が変わることをご存じでしょうか。
特に、兄弟姉妹や甥・姪、孫などが財産を受け取る場合に確認したいのが、相続税の二割加算(2割加算)です。対象者に該当すると、原則として税額控除前の相続税額に20%が加算されます。ただし、孫の代襲相続や養子縁組、相続時精算課税による生前贈与などでは、取り扱いが異なる場合があります。
彦根市で実家や土地などの不動産を相続する方にとっても、税額と納税資金の確認は大切な準備です。ここでは、二割加算の対象者、計算方法、間違えやすい例外、不動産相続で注意したいポイントを解説します。
■ 相続税の二割加算とは?遺産ではなく「相続税額」に20%が加算される制度
相続税の二割加算とは、相続・遺贈・相続時精算課税による贈与で財産を取得した人が、原則として被相続人の配偶者や一親等の血族以外である場合に、相続税額が加算される制度です。
被相続人とは亡くなった方、一親等の血族とは父母や子などを指します。
【「受け取った遺産の20%を納める」という意味ではない】
二割加算で最も間違えやすいのが、計算の対象です。
二割加算額=その人の税額控除前の相続税額×20%
例えば、ある人の税額控除前の相続税額が100万円の場合、加算額は20万円となり、加算後の税額は120万円です。
相続した財産が1,000万円だからといって、二割加算として200万円を納めるわけではありません。
また、二割加算は、原則として各種の税額控除を差し引く前に計算します。加算後に適用できる税額控除があれば差し引くため、最終的な納付額が、加算のない場合の納付額の単純な1.2倍になるとは限りません。
【二割加算の対象者でも、必ず相続税が発生するわけではない】
相続税には、次の基礎控除があります。
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、法定相続人が2人であれば、基礎控除額は4,200万円です。
この基礎控除は、財産を受け取る人それぞれに使えるものではなく、遺産全体の課税関係を判断する際に用います。
債務の控除や加算対象となる生前贈与などを反映した課税価格の合計額が基礎控除の範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。兄弟姉妹や孫が財産を受け取ったという理由だけで、二割加算分の税金が別に発生するわけではないのです。
ただし、小規模宅地等の特例などを利用して税額がゼロになる場合は、申告が必要になることがあります。「納税額がないこと」と「申告が不要であること」は分けて確認しましょう。
参考:国税庁「相続税額の2割加算」「相続税の計算」「相続税の申告と納税」
■ 相続税の二割加算の対象者は?兄弟姉妹・甥姪・内縁の配偶者に注意
二割加算の対象になるかどうかは、原則として亡くなった方との身分関係によって判断します。
主な取り扱いは次のとおりです。
【二割加算の対象外となる人】
・法律上の配偶者
・父母
・実子
・養子。ただし、孫養子には例外があります。
・子の代襲相続人となった孫などの直系卑属
【二割加算の対象となる人】
・代襲相続人ではない孫
・代襲相続人ではない孫養子
・祖父母
・兄弟姉妹
・甥・姪。兄弟姉妹の代襲相続人であっても対象です。
・内縁の夫・妻、事実婚のパートナー
・養子縁組をしていない配偶者の連れ子
・養子縁組をしていない子の配偶者
・友人など、上記の対象外となる関係に該当しない人
養子縁組や代襲相続など、複数の関係がある場合は個別の確認が必要です。
【「法定相続人だから対象外」とは限らない】
特に注意したいのが、兄弟姉妹が相続人になるケースです。
「法律上の相続人として財産を受け取るのだから、二割加算は関係ない」と考えがちですが、法定相続人であることと、二割加算の対象外になることは別の問題です。
国税庁も、兄弟姉妹や甥・姪として相続人になった人を、二割加算の対象例として挙げています。
例えば、亡くなった兄の土地を弟が相続する場合や、亡くなった叔母の家を姪が相続する場合には、相続税が発生するかどうかと併せて、二割加算を確認する必要があります。
また、長年同居していた、介護をしていた、生活費を援助していたといった事情だけで、二割加算の対象外になるわけではありません。
判定基準は、暮らしの実態や親密さそのものではなく、配偶者・一親等の血族・一定の代襲相続人に該当するかどうかです。
参考:国税庁「相続税額の2割加算」
■ 孫・孫養子の相続税はどうなる?代襲相続では二割加算の対象外になる場合も
孫への財産承継では、「孫だから必ず二割加算になる」「養子にすれば二割加算を避けられる」といった思い込みに注意が必要です。
孫がどのような立場で財産を受け取るかによって、結論が変わります。
【遺言で孫に財産を渡す場合は原則として対象】
祖父母が遺言を作成し、代襲相続人ではない孫に土地や預貯金を遺贈する場合、その孫は原則として二割加算の対象です。
「かわいがっていた孫に自宅を残したい」という希望があっても、財産の渡し方と、受け取る孫の税負担は別に考える必要があります。
遺言の内容を検討するときから、相続税と納税資金も確認しておくと安心です。
【孫を養子にしても、原則として二割加算の対象】
一般に、養子は一親等の法定血族となるため、二割加算の対象外です。しかし、被相続人の孫を養子にした「孫養子」は、原則として二割加算の対象になります。
そのため、養子縁組をしたという事実だけで、実子と同じ取り扱いになると判断することはできません。
国税庁も、代襲相続人になっていない孫養子については、二割加算の対象としています。
【親の地位を引き継ぐ代襲相続では例外になる】
一方、亡くなった方の子が相続開始前に死亡しており、その子に代わって孫が相続人になる場合があります。これが代襲相続です。
例えば、祖父が亡くなる前に父が亡くなっており、その父の地位を引き継いで孫が祖父の財産を相続する場合、その孫は二割加算の対象外になります。
孫養子であっても、子の地位を代襲して相続人になっている場合は同様です。子が相続欠格や相続廃除によって相続権を失い、孫が代襲相続人になる場合も、この例外に含まれます。
ただし、「代襲相続なら誰でも二割加算がなくなる」という意味ではありません。兄弟姉妹の代わりに相続人となる甥・姪は、引き続き対象です。
さらに、代襲相続人となる孫自身が相続放棄をし、別途遺贈によって財産を受け取った場合には、二割加算の対象になることが国税庁の質疑応答で示されています。
相続放棄と遺贈が関係する場合は、通常の代襲相続と同じ扱いだと考えず、税理士に確認しましょう。
参考:国税庁「相続税額の2割加算」および代襲相続人の相続放棄に関する質疑応答事例
■ 相続時精算課税と二割加算の関係|年間110万円の基礎控除と養子の離縁に注意
相続税の二割加算は、亡くなった後に受け取った財産だけの問題ではありません。相続時精算課税を利用して生前贈与を受けていた場合にも、確認が必要です。
相続時精算課税は、原則として一定の要件を満たす父母・祖父母などから子・孫などへの贈与について選択できる制度です。
贈与者が亡くなった際に、対象となる贈与財産を相続財産に合算して相続税を計算し、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を精算します。
【贈与時の税額がゼロでも、相続時の税負担は別に確認する】
相続時精算課税には、限度額2,500万円の特別控除があります。しかし、この特別控除によって贈与税がかからなかったからといって、その財産が将来の相続税でもすべて非課税になるわけではありません。
孫がこの制度で生前贈与を受けていた場合には、相続財産に合算する金額と、二割加算の対象になるかどうかを併せて確認します。
「贈与したときの税負担」と「贈与者が亡くなったときの税負担」を分けて考えることが重要です。
【2024年以後の贈与には年間110万円の基礎控除がある】
2024年1月1日以後の相続時精算課税による贈与には、年間110万円の基礎控除が設けられています。この基礎控除に相当する金額は、贈与者が亡くなったときに相続財産へ合算する対象から除かれます。
例えば、その年に相続時精算課税を適用する贈与を1人の贈与者から1,000万円受け、ほかに同制度による贈与がない場合、将来の相続税計算に合算する金額は、原則として110万円を差し引いた890万円です。
なお、同じ年に複数の贈与者から相続時精算課税による贈与を受けた場合、110万円を贈与者ごとに使えるわけではありません。基礎控除額は、それぞれの贈与額に応じて按分します。
2,500万円の特別控除と年間110万円の基礎控除は、性質が異なる点にも注意してください。
【養子縁組を解消した場合は、財産ごとの計算が必要になることも】
養子として相続時精算課税による贈与を受け、その後に離縁したケースでは、単純に全額を二割加算するとは限りません。
相続開始時には一親等の血族ではなくなっていても、贈与を受けた時点で一親等の血族だった財産に対応する一定の相続税額は、二割加算の対象外となる取り扱いがあります。
国税庁の計算例では、次のケースが示されています。
・養子縁組中の相続時精算課税による贈与財産のうち、相続税の課税対象となる額:1,000万円
・離縁後に受け取った死亡保険金:5,000万円
・その人の二割加算前の相続税額:600万円
この場合、二割加算の対象外となる税額は、次のように計算します。
600万円×1,000万円÷6,000万円=100万円
そのため、二割加算後の税額は次のとおりです。
600万円+(600万円-100万円)×20%=700万円
全額に20%を加算した720万円にはなりません。
なお、2024年以後の贈与財産については、年間基礎控除を反映した相続税の課税対象額で計算する必要があります。
また、一度選択した相続時精算課税は、養子縁組を解消しただけで適用が終了するわけではありません。
過去の贈与税申告書や養子縁組・離縁の時期がわかる資料をそろえ、税理士に相談することが大切です。
参考:国税庁「相続時精算課税の選択」「相続税額の2割加算」および各制度の関連質疑応答
■ 彦根市で不動産を相続する方へ|二割加算と納税資金、名義変更を一緒に確認しましょう
実家や土地などを相続する場合は、「財産の価値」と「すぐに使える現金」を分けて考える必要があります。
相続税は原則として金銭で一時に納付するため、不動産を取得しても、納税に使える預貯金が十分にあるとは限らないからです。
【相続税の申告・納税期限は原則10か月以内】
相続税の申告期限は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。納税も原則として同じ期限までに行います。
例えば、二割加算前の税額が300万円で、適用する税額控除がなければ、加算後の税額は360万円です。相続した財産の大半が土地や建物だった場合、この360万円をどのように用意するかまで検討しなければなりません。
不動産の売却で納税資金を確保する予定なら、税額の試算と並行して、売却可能性や売却代金を受け取る時期を確認しておきましょう。
金銭での納付が難しい場合には延納や物納の制度もありますが、利用には要件や申請手続きがあり、自由に選べる支払方法ではありません。
【相続税評価額・固定資産税評価額・売却価格を混同しない】
彦根市で土地や家屋を相続した場合も、相続税の計算では財産の種類に応じた評価が必要です。
土地は原則として路線価方式または倍率方式で評価し、家屋は原則として固定資産税評価額を基に評価します。賃貸中の土地・家屋などは、権利関係に応じた調整が行われます。
また、彦根市が案内する固定資産税の土地評価と、国税庁の相続税税額の計算に用いる土地評価は、目的や計算の仕組みが異なります。
「固定資産税の通知書に書かれた金額を、そのまま土地の相続税評価額として使えばよい」とは限りません。
税額を確認するときは税務上の評価を、納税資金の計画を立てるときは実際の売却見込みを確認し、別々に整理することが大切です。
【小規模宅地等の特例は、二割加算とは別に検討する】
二割加算の対象者であっても、それだけで小規模宅地等の特例が使えなくなるわけではありません。
例えば、特定居住用宅地等に該当する土地は、要件を満たせば330平方メートルまでの部分について評価額を80%減額できる場合があります。
ただし、取得者の立場や居住状況などに応じた条件があり、誰でも適用できるものではありません。
取得者によっては、申告期限までの保有や居住の継続が必要です。納税資金を用意するために売却を急ぐと、適用したかった特例の要件を満たせなくなる可能性もあります。
売却を決める前に、税理士と不動産会社で条件やスケジュールを確認することが重要です。
【彦根市への固定資産税関係の届出と、法務局での名義変更は別の手続き】
彦根市では、所有者が亡くなってから相続登記がされるまでの間の手続きとして、「相続人代表者指定届出書兼固定資産現所有者申告書」の提出を案内しています。
この届出は、相続人を代表して固定資産税の通知書などを受け取る方を指定するもので、提出しただけで不動産の登記名義が変更されるわけではありません。
土地や登記されている建物の名義変更は、法務局で手続きを行います。
また、相続した建物が未登記の場合には、彦根市税務課への「未登記家屋所有者変更届」が必要になります。
相続税の申告、市への固定資産税関係の届出、法務局での登記は、それぞれ目的の異なる手続きとして確認しましょう。
参考:国税庁「相続税の申告と納税」「土地家屋の評価」「小規模宅地等の特例」、彦根市の固定資産税に関する案内
【相続税の確認と、不動産の売却・活用をつなげて考える】
相続した不動産を残すか、売却するかを判断するときは、まず「誰が取得するのか」「二割加算を含めた税額はいくらか」「納税資金を確保できるか」を整理することをおすすめします。
彦根市のトラストエージェントは、公式サイトで「複雑な相続も、不動産の売却も。信頼できる専門家が一貫してサポートします。」と掲げ、弁護士・司法書士・税理士などの専門家と連携した相続・不動産売却の相談に対応しています。
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相続税の具体的な判定・申告は税理士に確認しながら、不動産の売却や活用、納税資金の確保を一緒に検討できます。
不動産売却の相談メニューはこちら
https://www.souzoku-trustagent2015.com/menu/
彦根市で相続した実家や土地の扱いに迷っている方は、トラストエージェントの無料相談をご利用ください。
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公式サイトのお問い合わせフォームからも相談を受け付けています。
https://www.souzoku-trustagent2015.com/
【参考資料・出典】
国税庁「No.4157 相続税額の2割加算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm
国税庁「No.4152 相続税の計算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm
国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
国税庁・代襲相続人の相続放棄に関する質疑応答事例
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/07/01.htm
国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm
国税庁「相続税額の2割加算」関連質疑応答
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157_qa.htm
国税庁「相続時精算課税の選択」関連質疑応答
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103_qa.htm
国税庁・相続税の延納に関する案内
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/enno-butsuno/01.htm
国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm
国税庁「No.4124 小規模宅地等の特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
彦根市・土地の固定資産税評価に関する案内
https://www.city.hikone.lg.jp/kakuka/somubu/6/syuruishikumi/koteisisan/hyouka/28810.html
彦根市・固定資産の所有者が亡くなった場合の手続きに関する案内
https://www.city.hikone.lg.jp/kakuka/somubu/6/syuruishikumi/koteisisan/konnatoki/28827.html
※本記事は、国税庁および彦根市の公表資料を参照した一般的な解説です。実際の適用関係や税額は、親族関係、財産の内容、過去の贈与、適用する特例などによって異なります。税制改正によって取り扱いが変わる場合もあるため、個別の税務判断は税理士または税務署にご確認ください。
監修者情報
- 商号
- 株式会社 トラストエージェント
- 代表
- 代表取締役 臼井 大典📞0749-26-2103
トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

