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タダほど高いものはない?不動産の贈与を受けたときにかかる3つの税金
2026/09/22

親から子へ、祖父母から孫へ。
不動産を「お金を取らずに譲る」ということは、家族や親族の間では決して珍しい話ではありません。
例えば、
-
親名義の土地を子どもへ移したい
-
将来の相続に備えて実家を生前贈与したい
-
アパートや賃貸マンションを子どもへ引き継ぎたい
-
使っていない土地を孫に渡したい
といったケースです。
生前贈与は相続対策として有効になる場合があります。
しかし、不動産の場合、
「タダでもらうのだから、お金はかからない」
というわけではありません。
むしろ不動産を贈与すると、受け取った側に複数の税金が発生する可能性があります。
代表的なのが、
-
贈与税
-
不動産取得税
-
登録免許税
の3つです。
しかも、それぞれ税金を計算するときに使う「不動産の価格」が同じとは限りません。
そのため、不動産の生前贈与を考える場合は、名義を変更する前に、相続した場合と贈与した場合の総費用を比較することが非常に重要です。
不動産をもらうと、まず「贈与税」が問題になる
贈与税とは、原則として個人から財産をもらった人に課税される税金です。
「贈与税」という名前なので、財産をあげた人が払うように思えるかもしれませんが、原則として納税するのは財産を受け取った人です。
現金だけでなく、
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土地
-
一戸建て
-
マンション
-
アパート
-
株式
-
自動車
-
その他財産
なども対象になります。
不動産だから特別に贈与税が免除されるわけではありません。
不動産の贈与税は「購入価格」では計算しない
不動産の贈与で特に注意したいのが評価方法です。
贈与税を計算するとき、不動産を単純に、
「3,000万円で買ったから3,000万円」
「不動産会社の査定額が2,500万円だから2,500万円」
として計算するわけではありません。
土地については、原則として、
-
路線価方式
-
倍率方式
などによる相続税評価額を使用します。
国税庁によると、路線価が設定されている地域では、道路ごとに定められた路線価を基礎として土地を評価します。一方、路線価が設定されていない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を掛ける倍率方式が用いられます。
彦根市でも、土地の所在地によって路線価方式になる場所と倍率方式になる場所があります。
そのため、
「固定資産税評価額が1,500万円だから、贈与税も1,500万円を基準にすればいい」
とは限らない点に注意が必要です。
贈与税には年間110万円の基礎控除がある
一般的な「暦年課税」では、その年の1月1日から12月31日までに贈与された財産を合計し、そこから110万円の基礎控除を差し引きます。
国税庁も、暦年課税について、1年間に贈与された財産の合計額から110万円を差し引いた残額に税率を適用するとしています。
計算の基本形は、
1年間に受けた贈与財産の合計額-110万円=基礎控除後の課税価格
です。
重要なのは、
110万円は不動産1件ごとでも、贈与者1人ごとでもない
ということです。
その人が1年間に受けた暦年課税の贈与を合計して考えます。
父と母から不動産をもらった場合は合算する
例えば、18歳以上の子どもが同じ年に、
-
父から評価額1,000万円の土地
-
母から評価額500万円の土地
を贈与されたとします。
その年の贈与財産は、
1,000万円+500万円=1,500万円
です。
基礎控除110万円を差し引くと、
1,500万円-110万円=1,390万円
となります。
父母や祖父母などの直系尊属から、その年の1月1日時点で18歳以上の子や孫などへ贈与する場合には「特例税率」が適用されます。
この条件で1,390万円の基礎控除後の課税価格に特例税率を適用すると、
1,390万円×40%-190万円=366万円
となります。
つまり、評価額合計1,500万円の不動産を贈与しただけで、条件を単純化しても366万円の贈与税が発生する計算になります。
不動産の生前贈与では、この贈与税が大きな負担になることがあります。
贈与税は相続税より負担が重くなりやすい
贈与税には、高額な財産を短期間で移転すると高い税率が適用される仕組みがあります。
そのため、
「どうせ将来子どもが相続する土地だから、今のうちに全部贈与しておこう」
と安易に名義変更すると、相続まで待った場合より税負担が大きくなる可能性があります。
相続税には、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
という基礎控除があります。
一方、暦年課税の贈与税の基礎控除は年間110万円です。
制度の仕組みそのものが大きく異なるため、不動産の価値が高いほど、贈与か相続かを事前に比較する意味が大きくなります。
20年以上の夫婦なら「贈与税の配偶者控除」が使えることも
不動産贈与には特例もあります。
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、自宅として使用する居住用不動産、またはその取得資金を贈与した場合には、一定の要件を満たせば、
年間110万円の基礎控除とは別に最高2,000万円
まで控除できる「贈与税の配偶者控除」があります。
ただし、
「2,000万円までなら妻や夫へ自宅を移しておけば得」
とは限りません。
不動産取得税や登録免許税など、贈与税以外の負担もあります。
また、相続で配偶者が財産を取得した場合には相続税の配偶者の税額軽減など別の制度もあります。
したがって、
配偶者控除が使える=生前贈与が最も有利
とは限りません。
「相続時精算課税」という方法もある
不動産の生前贈与では、「相続時精算課税」という制度を検討することもあります。
2024年以降の相続時精算課税では、年間110万円の基礎控除が導入されています。
一定の要件を満たす父母・祖父母などから子・孫などへの贈与について相続時精算課税を選択すると、年間110万円の基礎控除を超えた部分などについて、最終的に贈与者が死亡した際の相続税計算と精算する仕組みになります。
ただし、相続時精算課税は制度が複雑です。
一度選択した後の取扱いや、将来の相続税への影響まで考える必要があります。
そのため、不動産を贈与するためだけに、
「相続時精算課税なら税金が安そうだから使おう」
と判断することは避けた方がよいでしょう。
不動産をもらうと「不動産取得税」もかかる
不動産を取得すると、贈与税とは別に不動産取得税がかかる場合があります。
不動産取得税は都道府県税です。
売買によって購入した場合だけでなく、原則として贈与によって無償で取得した場合にも課税されます。
一方、通常の相続によって不動産を取得した場合には、不動産取得税は課税されません。
ここは、贈与と相続を比較するときの大きな違いです。
滋賀県の不動産取得税は土地・住宅3%が基本
滋賀県では、2027年3月31日までに取得した土地または住宅について、不動産取得税の税率は**3%**です。
住宅以外の家屋については**4%**となります。
つまり基本的には、
-
土地:3%
-
住宅:3%
-
住宅以外の建物:4%
です。
ただし、単純に売買価格へこの税率を掛けるわけではありません。
不動産取得税は固定資産税評価額を基準にする
不動産取得税の課税標準は、原則として、市町の固定資産課税台帳に登録されている価格です。
滋賀県も、実際の購入価格や工事価格ではなく、原則として固定資産課税台帳に登録された価格を基礎にすると案内しています。
例えば、
-
市場価格2,000万円
-
固定資産税評価額1,300万円
という土地であれば、原則として市場価格2,000万円をそのまま使うわけではありません。
この点が贈与税との大きな違いです。
贈与税の土地評価は路線価方式など、対して不動産取得税は原則として固定資産税評価額が基準となります。
宅地は2027年3月31日まで課税標準が2分の1
さらに、宅地や宅地比準土地については、2027年3月31日までに取得した場合、固定資産税評価額の2分の1を課税標準とする特例があります。
例えば固定資産税評価額が1,500万円の宅地を贈与によって取得した場合、単純化すると、
1,500万円×1/2×3%=22万5,000円
となります。
つまり、実質的には固定資産税評価額に対して約1.5%相当になる計算です。
ただし、住宅や住宅用土地については、一定の要件を満たすことで別途軽減を受けられる場合もあります。
実際の税額は物件ごとに確認する必要があります。
彦根市の不動産であっても、不動産取得税を課税するのは彦根市ではなく滋賀県です。
さらに「登録免許税」も必要になる
土地や建物を贈与したら、登記名義も変更する必要があります。
例えば、
父名義の土地を子どもへ贈与したのであれば、
父→子
へ所有権移転登記を行います。
この登記の際にかかる国税が登録免許税です。
贈与による土地・建物の所有権移転登記の税率は、原則として、
固定資産税評価額×2%
です。
国税庁の2026年4月1日現在の資料でも、土地・建物とも贈与による所有権移転の税率は1,000分の20、つまり2%とされています。
贈与と相続では登録免許税が5倍違う
ここは不動産の生前贈与で非常に重要なところです。
所有権移転登記の登録免許税は原則として、
-
贈与:2%
-
相続:0.4%
です。
例えば固定資産税評価額が1,500万円であれば、
贈与の場合、
1,500万円×2%=30万円
相続の場合、
1,500万円×0.4%=6万円
です。
単純比較すると、
贈与の登録免許税は相続の5倍
になります。
「生前に名義を変えておいた方が簡単そうだから」
という理由だけで贈与すると、このような税負担の違いが出てきます。
土地の売買は登録免許税1.5%の軽減が延長されている
売買の場合にも、原則税率は2%ですが、土地の売買による所有権移転登記については軽減税率があります。
現在は**2029年3月31日まで1.5%**です。
また、一定の住宅用家屋を売買によって取得し、自分で居住する場合には、一定の要件のもと所有権移転登記について**0.3%**の軽減税率が2027年3月31日まで設けられています。
重要なのは、この住宅用家屋の0.3%の軽減は売買・競落による取得が対象であり、通常の贈与にはそのまま適用できないということです。
そのため、登録免許税という点では、贈与は比較的負担の大きな取得方法といえます。
相続登記には一定の免税措置もある
相続による土地の登記については、一定の場合に登録免許税が免除される制度もあります。
例えば、2027年3月31日までの一定の相続登記について、課税標準となる土地の価額が100万円以下の場合などには免税措置があります。
つまり登記費用という点でも、
贈与と相続では扱いがかなり違う
ということです。
1,500万円の土地を親から贈与されたら税金はいくら?
ここで、不動産を贈与した場合の負担を具体的に見てみましょう。
18歳以上の子どもが、親から評価額1,500万円の住宅用地を贈与されたケースを単純化して考えます。
分かりやすくするため、
-
贈与税評価額:1,500万円
-
固定資産税評価額:1,500万円
-
その年に他の贈与なし
-
特例贈与財産に該当
-
宅地の課税標準2分の1特例を適用
-
その他の不動産取得税軽減は考慮しない
と仮定します。
贈与税
まず、
1,500万円-110万円=1,390万円
特例税率を使うと、
1,390万円×40%-190万円=366万円
となります。
不動産取得税
宅地について2分の1特例を使うと、
1,500万円×1/2×3%=22万5,000円
です。
登録免許税
贈与による所有権移転なので、
1,500万円×2%=30万円
です。
3つを合計すると、
366万円+22万5,000円+30万円=418万5,000円
となります。
約419万円です。
つまり、1,500万円相当の土地をタダでもらったとしても、条件によっては受け取った側に400万円を超える税負担が生じることがあります。
もちろん、実際には贈与税評価額と固定資産税評価額は通常同じではありません。
不動産取得税の住宅用土地の軽減措置などが利用できることもあります。
この約419万円という数字は、あくまでも税負担の大きさを理解するための単純化した試算です。
「贈与税だけ」を見てはいけない
不動産の生前贈与を検討するときに多いのが、
「贈与税はいくらですか?」
という考え方です。
しかし、実際には、
贈与税+不動産取得税+登録免許税
まで確認する必要があります。
さらに実務では、
-
司法書士への登記費用
-
税理士への申告報酬
-
不動産評価に必要な資料取得費
-
測量が必要な場合の費用
-
将来売却したときの譲渡所得税
なども関係してくる可能性があります。
つまり、
「贈与税が安い=生前贈与が有利」
ではありません。
親から子へ土地を渡すなら「贈与」と「相続」を比較する
彦根市でも、
「親が高齢なので土地を子ども名義に変えておきたい」
「実家を長男へ渡しておきたい」
「使っていない土地を子どもへ贈与したい」
と考えるご家庭はあるでしょう。
しかし、名義を変更する前に、
-
今贈与した場合の贈与税
-
不動産取得税
-
登録免許税
-
将来相続した場合の相続税
-
相続時の登録免許税
-
誰がその不動産を利用するのか
-
将来売却するのか
-
空き家にならないか
まで比較することが重要です。
特に彦根市では、実家や土地を受け継いでも、子どもが県外で生活していて利用する予定がないケースも考えられます。
そのような不動産を生前贈与すると、
税金を払って名義を移したのに、結局数年後に売却する
ということにもなりかねません。
使う予定のない不動産なら「贈与しない」という選択もある
相続対策というと、
「できるだけ早く子どもへ財産を移した方がよい」
と思われがちです。
しかし、不動産については必ずしもそうではありません。
例えば、
-
子どもが彦根市へ戻る予定がない
-
実家が老朽化している
-
土地を利用する予定がない
-
空き家になる可能性が高い
-
相続人が複数いる
-
将来的に売却する可能性が高い
のであれば、
生前に売却して現金化する
という方法もあります。
あるいは、そのまま相続まで保有し、相続発生後に売却する方が合理的な場合もあります。
重要なのは「誰の名義にするか」ではなく、
その不動産を最終的にどうするのか
を先に決めることです。
収益不動産を贈与する場合は家賃収入も考える
一方、アパートや賃貸マンションなどの収益不動産では、生前贈与に別の意味が出てくることがあります。
例えば、親が収益不動産を子どもへ贈与すれば、その後の家賃収入は原則として新しい所有者である子どもの収入になります。
そのため、
-
親の財産増加を抑える
-
子どもへ早い段階から収益を移す
-
次世代へ賃貸経営を引き継ぐ
といった目的で検討される場合があります。
ただし、贈与時に多額の税金が必要なら、家賃収入を移すメリットより初期負担の方が大きくなることもあります。
さらに、
-
空室
-
修繕
-
管理
-
固定資産税
-
将来的な売却
まで含めた判断が必要です。
生前贈与は「節税」だけで判断しない
不動産を子どもへ贈与すること自体は、決して悪い選択ではありません。
状況によっては、
-
遺産分割トラブルを防ぐ
-
特定の子どもへ確実に財産を渡す
-
収益不動産を早く承継する
-
将来値上がりする財産を早期に移転する
など、大きなメリットがあります。
しかし、その一方で、
-
贈与税
-
不動産取得税
-
登録免許税
という3つの大きな税負担が発生する可能性があります。
そのため、不動産の生前贈与では、
「贈与できるか」ではなく「贈与することが本当に家族にとって有利なのか」
を考えることが重要です。
彦根市の相続不動産は「贈与・相続・売却」を一緒に比較する
彦根市で親名義の土地・建物を今後どうするか迷っている場合には、
-
今すぐ生前贈与する
-
相続まで保有する
-
生前に売却する
-
賃貸として活用する
という複数の方法があります。
どれが適しているかは、
-
不動産の評価額
-
市場で売却できる価格
-
建物の状態
-
家族構成
-
相続財産全体
-
将来その不動産を使用する人
-
相続税の有無
によって変わります。
トラストエージェントでは、彦根市を中心に、相続した土地・建物、空き家、不動産売却などについてご相談を承っています。
税務については税理士、登記については司法書士などの専門家と連携しながら、不動産そのものについては地域の市場性や売却可能性も含めて考えることが重要です。
「親からタダでもらえる土地だから得」
とは限りません。
不動産の贈与では、受け取った後に数百万円単位の税金が必要になるケースがあります。
だからこそ、名義変更をしてから考えるのではなく、
贈与する前に、贈与・相続・売却の3つを比較する。
これが、不動産を次の世代へ無理なく引き継ぐための大切なポイントです。
※本記事は2026年8月時点の法令・国税庁・滋賀県等の公表情報を基に、一般的な不動産贈与の税金について解説したものです。不動産の評価額、贈与税、不動産取得税、登録免許税、各種特例の適用可否は個別の物件や家族関係などによって異なります。具体的な贈与・相続については、税理士・司法書士などの専門家へご確認ください。
監修者情報
- 商号
- 株式会社 トラストエージェント
- 代表
- 代表取締役 臼井 大典📞0749-26-2103
トラストエージェントは、滋賀県彦根市にある不動産会社です。地域に根ざした豊富な実績を活かし、さまざまな案件に対応いたします。ここでは、そんな当社の会社概要を紹介します。当社へのアクセス情報はこちらからご確認ください。

