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相続対策に"孫への贈与"を活用しよう

2026/03/10

相続対策に

相続対策というと、「被相続人から配偶者と子へ財産が引き継がれる」という一般的な相続を前提に考える方が多いかもしれません。実際、法定相続人は配偶者と子であるケースが多く、相続対策もその範囲で検討されることが一般的です。

しかし、相続対策は必ずしも「配偶者と子」だけで行うものではありません。場合によっては孫を活用した相続対策を検討することで、より効果的な資産承継が可能になるケースもあります。相続税対策や資産のスムーズな承継を考える際には、配偶者や子だけでなく、孫世代も含めた視点で対策を検討することが重要です。

ここでは、まず「配偶者と子への相続」を前提とした相続対策の注意点について見ていきましょう。


配偶者と子への相続で注意したいポイント

遺言書がない場合、民法の規定により配偶者と子が法定相続人となります。そのため、相続対策もこの親族内で行われることが多いのですが、実は注意しておきたいポイントがいくつかあります。

配偶者が亡くなった際の「二次相続」で税負担が増える可能性

相続税には「配偶者の税額軽減」という制度があります。これは、配偶者が相続した財産について、

  • 1億6,000万円まで

  • または 配偶者の法定相続分相当額まで

のいずれか多い金額までは相続税がかからないという制度です。

この制度を活用することで、一次相続(夫婦のどちらかが亡くなったとき)の相続税を大きく抑えることが可能になります。そのため、多くの家庭で配偶者が多くの財産を相続するケースが見られます。

しかし、ここで注意が必要なのが二次相続です。

多くの場合、配偶者は被相続人と同世代であるため、一次相続の後、比較的短期間で配偶者が亡くなり、二次相続が発生することも珍しくありません。

二次相続では次のような問題が起こる可能性があります。

  • 配偶者の税額軽減が使えない

  • 法定相続人が1人減ることで基礎控除額が下がる

  • 結果として相続税の負担が増える可能性が高い

つまり、一次相続だけを見て対策を行うと、二次相続で大きな税負担が発生するケースもあるのです。相続対策は「二次相続まで見据えた設計」が重要になります。


親子間の生前贈与はタイミングによって効果が薄れることも

相続税対策としてよく知られているのが生前贈与です。

一般的な「暦年贈与」では、

  • 年間110万円までの贈与は非課税

となっており、この制度を活用して少しずつ財産を移転することで、相続税の節税につながる可能性があります。

しかし、ここでも注意点があります。

現在の相続税制度では、相続開始前7年以内の贈与については、その贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算する仕組みになっています。

しかもこの加算対象には、

  • 110万円以下の贈与

も含まれます。

つまり、

  • 「そろそろ相続対策を始めよう」と思い

  • 毎年110万円以内で贈与を始めたとしても

  • 贈与者が短期間で亡くなった場合

その贈与が相続財産として計算されてしまう可能性があるのです。

相続の発生時期は予測することができないため、生前贈与による相続対策はできるだけ早い段階から計画的に行うことが重要になります。


相続対策は「配偶者と子への相続」だけを前提に考えると、思わぬ税負担や資産承継の問題が生じることがあります。そのため、二次相続や世代間の資産移転も視野に入れながら、孫世代を活用した相続対策を検討することも重要なポイントになります。

次回は、孫を活用した相続対策のメリットや具体的な方法について解説していきます。

監修者情報

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